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エレカシ短歌『浮世の夢』 [二次創作]

ひまつぶし企画「エレカシ短歌」の何回目か。
前回にひきつづいてEPIC中期の傑作『浮世の夢』。
前回でとりあげた『生活』と同様に永井荷風とゆかりの深い内容だ。
アルバムのタイトル「浮世の夢」は、
私が推測するところ『墨東綺譚』の作中に登場する小説からと思われる。
永井荷風後期の傑作とされる同作で、荷風の映し姿と見られる主人公の作家が、
机のなかにしまっておいて未発表のままの書きかけの小説が「浮世の夢」という題なのだ。
アルバム『浮世の夢』は景色が和風なこともあり、短歌や俳句の七五調にぴたりとはまる。
実は最近、荷風の訳詩集『珊瑚集』を熟読して、思うところが多い。
(了)
エレファントカシマシ『生活』


【「序曲」夢のちまた】

暗くなる部屋にて
思う春もあり
夢のちまたは忘れゆくのみ

【うつらうつら】

愚かなる町の
窓辺に雀来る
楽しく眺む うつらうつらに


【上野の山】

短か世の 夢の騒ぎや
上野山
花見のあとの 夜は寂しげ


花見なる 春の上野は
短夜の宴に夢見
明日は忘れる

【GT】

慣れた道 車ころがす
ぶらぶらと
涙の笑顔 夢もすり減る

【珍奇男】

世間様 
寄生虫なるワタクシに
お金を投げて 偉いのだから


珍奇なる 見世物風情
ワタクシはお金をもらい
威張りちらすよ

【浮雲男】

傍らにいつも煙の男あり
煙草をぷかり
浮雲ぷかり

【見果てぬ夢】

夢を追う人の思いは百様に
笑顔たやさず
浮世生き抜く

【月と歩いた】

寒き夜の散歩の伴に空の月
気恥ずかしくも
まだついてくる

【冬の夜】
北風と冬のにおいを 感じつつ
枯れ葉を踏んで
家まで帰る


ビル明かり 星影見えず
冬の匂い
枯れ葉踏みつつ 家路を辿る

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