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エレカシ復活の野音 9月14日レポート(その1) [ライブ]

大変更新が遅くなって申し訳ない。
実は翌週末に小学校時代からの友人の結婚式があって、出席したので、
ライブ後にバタバタとしたのがいちばん遅筆の原因。
もうひとつは、だいぶあいだが空いたので、
ライブレポートを書く感覚が取り戻せなかったのもある。
もちろん、エレファントカシマシ以外のライブは観に行ったりはしていたのが、
それはライブレポートとか書かないので。

今回はその1とその2、前編と後編で27曲のレポートをする。
いつもどおり、自分のメモと余所さまのライブレポートを巡回して、
記憶の間違いを訂正したり、自分の忘れていたことを補完したりして、
できるだけ当日に近いリアルなレポートになればと思っている。
さてはて、どんな塩梅でしょうか?



  1. 優しい川
  2. ハロー人生!!
  3. 四月の風
  4. 悲しみの果て
  5. 東京からまんまで宇宙
  6. 大地のシンフォニー
  7. めんどくえ
  8. デーデ
  9. 星の砂
  10. 涙を流す男
  11. 新曲(はてさてこの俺は)
  12. 翳りゆく部屋
  13. 風に吹かれて
  14. シグナル
  15. 新曲(楽しきことだから)
  16. 明日への記憶
  17. 新曲(あなたへ)
  18. 笑顔の未来へ
  19. ズレてる方がいい
  20. 俺たちの明日
  21. 今宵の月のように
  22. 友達がいるのさ
  23. so many people
  24. ガストロンジャー
  25. ファイティングマン
  26. 花男


1. 優しい川

開演時刻、定時、いつものように入場のSEもなく淡々と入ってくる。
先頭はギターの石森。続いて宮本。ステージうしろ側に冨永と高緑がしずかに入る。
万雷の拍手と「おかえり」の言葉が客席からかかる。
恥ずかしそうに手をあげていたような記憶がある。
まずはメンバー3人に演奏をまかせて、自分はマイクを手に歌い始める。
リハーサルの時には押さえていた発声を全力で行う。
サビの盛り上がり部分の絶唱が冴えわたる。
歌詞のないスキャット部分が一段とすごみをましている。
声量もそうだが、音程も以前どおりというか、それ以上に状態がよさそうだ。
「ああ~」などの声の説得力がひとしおである。
観客は固唾をのんで見守っている。
コンサートのはじまりがこんなに静寂というのは、ロックバンドでは珍しいだろう

2.ハロー人生!!

カーレースのピットインよろしく、ローディーがギターを差し入れ、
素早くセットチェンジ。
「ハローエブリバティ。」
ギターを抱えて、リフを弾き出し【ハロー人生!!】へ。
フロントのギター2人の掛合いが印象的な楽曲だ。
間奏では石君を前に押し出して、久しぶりのギタープレーを楽しませる。
エレファントカシマシ4人のみの演奏は、
この曲は石森と高緑のバックコーラス付だ。
【優しい川】にも増して声を張り上げる。
後奏はふたたび宮本と石森のギターバトル。

3.四月の風

「みんな元気ですか?エブリバディ。」
「じゃあ、みんなに…」
これを聞いて即座に【四月の風】だと理解する。
この曲はEPICの契約が切れて浪人していたころに、
自分たちを支えてくれるファンに対して感謝をこめてつくった曲だと言われている。
今回の「復活の野音」で選曲されたのもその意味をこめてのことだ。
今回のライブではそうした選曲が何曲かあって、心を打つものがあった。

4.悲しみの果て

「じゃあもう1曲聞いて下さい」で、【悲しみの果て】へ。
この曲もまた【四月の風】同時期につくられた、ファンへ向けてのメッセージである。
そうしてキャニオン時代のはじめてのシングルは「悲しみの果て / 四月の風」でつくられた。
観客席は早くも大盛況で、歌っている人もチラホラいた。

5.東京からまんまで宇宙

「エブリバディ。じゃあもうちょっと曲やっていいですか?
 なんだかわからねぇけど、いっしょに盛り上がろう、そんな曲です。」

冒頭のギターリフが印象的な比較的新しめの【東京からまんまで宇宙】。
この曲は本番前の現地リハーサルでいちばん入念にチェックしていた楽曲だ。
この曲ではドラムのトミのパワフルドラムが冴えていた。
サビのところの「あ~あ~」が今日はまたいっそう力強かった。
6人編成の分厚い音で、完全復活をアピールする華やかな演奏だった。
後奏ながめにしてボーカルのみの「東京からまんまで宇宙~」で閉め。

MC1

ギターって重い。やっぱり。
きょうはみんなようこそ。
よくわかんないけど。よくわかってんだけど。
楽しんでますか?すでに楽しんでんだけど。

じゃあ次は大好きな曲で。丁寧に歌いたい。
どの曲も大好きなんだけど。
このあいだ聞いてたら
自分の歌だからあたりまえなんだけど
妙に歌詞がこころに突き刺さるんです。
そんな歌聞いて下さい。

6.大地のシンフォニー

昼海幹音のアコギと蔦谷好位置のエレピからスタート。
冒頭サビから歌い上げる。
歌詞をかみしめるように、いとおしそうに歌う宮本。
身振り手振りを交えて手持ちマイクで。
高音部分ものびやかな声で歌う。
この曲では、歌が届けるその世界観に感動して、涙が浮かんだ。
PVが大手町界隈ということもあって、日比谷の景色とも二重写しになる。
いま、日本の音楽業界で声だけでこれだけの説得力をもつ歌手はそうはいない。
20代30代では説得力をもたない人生観のこもった作品だけに、
年輪の重みの響く歌唱だった。

MC2

「じゃあ新曲聞いて下さい。」
と言ったもののMCへ。
「こうしてみんなの前でやっていると、しょっちゅうコンサートやってるみたいだけど、
実は1年ぶりくらいで、その間にオレ結構2ヶ月くらい休んじゃって。
2ヶ月は休暇じゃなく本当に休みました。
2ヶ月の休みなんてみんなとったことないだろ、すごいだろ夏休み以外で。
そうしたら高緑くんがベースを1週間置いちゃったっていうんでびっくりして、
いくらなんでも休みすぎだって言ったんだけど、
よく考えたら、休みのあいだくらい1週間くらいベースいじらなくてもいいんじゃないかって、
言ったみたいであんまり怒れなかったっていう。
自分は歌のことも忘れて、
ここぞとばかりに漢文の駿台予備校の問題を買ってきて、
レ点とかそういうの、一生懸命本を読まなきゃいけないから、
どうでもいいですかこんな話。どうでもいいね。
いやいいんです、いいんです。
で、うれしかったのが1月になってこうやって一生懸命曲を作って、
それができて、そいでバンドでみんなで練習して、
みんなに聞いてもらおうと思ってやっていたんです」。

耳からイヤーモニターを外して、見せるようにして、
「えっと、これイヤーモニターといって、
耳はぜんぜん聞こえるんですけど、耳をガードするっていうんで、
洋楽の人とかもみんな使っていたんで、これならば使ってもいいかと思って、
「鎖国」なんで私は。「鎖国」じゃねぇか。西洋人がやってると全部真似するから。
おもしろくない?」

7.めんどくせえ

「めんどくせえな、まったく」というのが口ぐせになりまして。
オヤジになりまして。

【めんどくせえ】は久しぶりにかわりばえのしない日常を嘆く歌。
これはエピック時代によくあったテーマで、日常から抜け出せない憂鬱を歌う楽曲。
(日常の「無間地獄」を歌うブルースについては別項、「太陽」の項目で述べたことがある)
ただ、病気療養期間に制作されたことを思うと、
たとえば病んで思うようにならない身体でも生きなければならない、ままにならなさ、
そのことへの鬱屈のような気もしてくる。
「空を見て、鼻がきゅーんとなって」という歌詞のなかにその片鱗が伺える。
「神よ魔王よ この不幸な男を憐れみたまえ」という歌詞も
ひさしぶりに実感のある皮肉な歌詞である。
4人のみのエレカシでささくれた歌詞の10代のバンドがつくるような荒削りの楽曲だ。
のどを潰しそうな絶叫だったので心配したが、
次の【デーデ】でなんともなかったので驚いた。

8.デーデ

カウベルが鳴って、
「貧乏人でも金持ちでも、どうせ使い切れねぇんだよ。」
石君に目配せで合図をして【デーデ】。
デビューアルバムの2曲目を飾る、エレファントカシマシのアンセムのひとつ。
「少しばかりの悪知恵とカネがあればいい」の「ばかり」を
「ばか、ばか、ばか、ばかりの…」と定番のくりかえしフレーズでおどける。
マイクを手にして歩き回る。
サビでは拍手を要求する。
トミにテンポを上げろと指示を出す。


9.星の砂

【デーデ】の閉めが決まったあと、
メンバーにとも、客席にともつかぬ、ひとりごちで。
「ホシムスメ」(これもひとつの持ちネタと化している)

【星の砂】のイントロへつづく。ほとんどメドレーのような印象。
青いタンバリンをもって久しぶりにひとしきり鳴らして、放り投げる。
石森ギターが楽しそうにキュンキュン鳴る。
また、途中でテンポ上げ指示がある。
観客席では手をひらひらさせる身振りがある。
いつもの鼻つまみ動作もある。
石森コーラスもある。
「15才の時につくった星の砂でした」

MC3
宮本、頭を軽くかいて、「水に濡れてるみたいだな」。

「じゃあ、いつごろシングルが出たか忘れちゃったけど、
レコーディングが終わって、1週間くらいして、ちょうど今くらいだったんですけど、
そうしたら暗示的な…、
なんで泣いてる男の歌なんか作ったんだろう?変だなぁ?
と思っていたら入院しちゃって、
今となるとあれなんですけど、その時は妙に暗示的だなと思っていた曲です。
でも大人になるとこんな感じ。
それでも、どーんと行くぜということです、そういう曲です。聞いてください。」

10.涙を流す男

宮本の抱えるエレキギターのカッティングから、
原曲よりもファンクっぽい感じのアレンジではじまる。
「もういっちょう」
原曲よりもぜんぜん力づよく、涙を流している男の曲には聞こえない。
大きく哄笑している男にしか思えないくらい力強い。
6人編成のスーパーバンドのグルーブ感がすごい。
「ああ 涙を流す男よ」もかなり力強い。
ライブ映えする楽曲である。

11.新曲(はてさてこの俺は)

「ボクの思いはね、偉くなりたくて、そう思って生きてきたって歌です。」

アコギをならして、まず弾き語りから。
そのまま行くかと思いきや。
バンドの音が重なってきて、音が厚くなってくる。
「悲しみの友よ、寝ちまうかい」
「飛んでっちまいたい」
「はてさてこの俺は」
まだ歌詞が出来ていないのか1番だけみたいだった。

12.翳りゆく部屋

「じゃあ、普遍的な曲だと思うのであえてやります。」
蔦谷好位置のピアノから、いつも通りに。
もはやカバーソングというよりも、持ち歌のひとつになりつつある。
この日いちばん靜かなバラードだった。
演奏も歌唱も円熟の名演だった。
仕草をつけつつ、歌詞をかみしめつつ丁寧にうたいあげる翳りゆく部屋だ。
近年、トミのリズムが安定していて、スローテンポの曲ほど歌いやすそうだ。
後半はお得意のスキャットが飛び出す。
締めのフレーズは「死んでも」をボーカルのみでフェイドアウト。

13.風に吹かれて

ギターを抱えて。
ハウリングさせたので、「ごめん、失礼しました。」
カウントをとってから印象的なイントロへ。
本当にのびやかな歌声の【風に吹かれて】だ。
サビでは観客席でいくつもの手が振られる。
間奏のギターリフを心地よさがに奏でる。
「エブリバディ、レッツゴー」。
「風に吹かれてぇぇ」の語尾を高音で。

いっぱい言いたいことがあるんだけど、
いっぱい人が聞いてるから、曲で歌います。
拍手。

14,シグナル

またも「1,2,3,4」のカウントから。
イントロがだいぶ長い。
イントロ3回ぐらいくりかえす(歌詞を忘れ、石くんに訊いていたという書き込みあり)
「雨上がり…」と2番を歌いかけたので、やりなおした感じがした。
この日いちばん胸にしみるメッセージソングだった。
「どの道俺は道半ばに命燃やし尽くす その日まで咲き続ける花となれ」
「どの道俺はぁぁあぁ」

その2へ続く
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