ワインディングロード試聴の感想

J-WAVE「Groove Line Z」内で初放送された新曲を聴いた。
番組を3時間予約録音したなかの後半部分にあった。
番組は16:30-20:00までの3時間放送のところを、
前半の30分を切って、17時から3時間録音したのだが、
取り逃していなかったので安堵した。
放送時間は19時10分近辺から約4分半。

アコースティック・ギターの弾き語りではじまり、
途中からバンドの音が重なってきて、
途中にまたアコースティック・ギターの弾き語りに戻り、
最後に打ち込みトラックとバンドの盛り上がりでしまる、
そんな構成である。
パッと聴いた印象では、【新しい季節へキミと】の印象に近い。
ただし、ストリングスのサポートはなく、
その代わりに打ち込みのリズムトラックがある。
ただ、打ち込みはあるけれど、生ベース生ドラムの演奏も載っている。
つまり、EMI時代の打ち込み作品とはちょっと印象が違う。

メロディは【旅の途中】と【sweet memories】が混じっているような印象で、
駈けだしたくなるような、疾走とまではいかないまでも小走りに近いようなリズムだ。
歌詞はここ近作のイメージがありつつ、
それに加えて比較的に私小説の香りが薄く、
ポピュラリティの高い内容だ。

印象的なフレーズをいくつか

「ふたたび新しい旅がはじまる」
「ありふれた曲がり角さあその先へ行こう」
「手にした一切合切が　移ろいゆく定めならば　己をさらして行こう　ゴー」
「あんたわかるかい　俺の気持ち」
（歌詞訂正(10/16）などなど。

何度か聴き直すうちに、くだんの「愛のかたまり」を見つけた
「俺からあなたへと繋がる道　いうなれば愛のかたまりさ」
というフレーズで登場する。

歌詞の内容は、
【旅】【赤き空よ！】【新しい季節へキミと】などなどの、
くよくよしている自分に新しい旅の季節が訪れる、
そんな感じなのだが、
【明日への記憶】のような沈鬱な感じが一切ない。
ふっきれている感じがあまりにもさわやかである。
さわやかすぎて、きっと古参ファンに何か言われてしまいそうである。
「リア充（リアルな生活のなかで充実している人）」は、
たいてい初期のファンとは反りが合わないのは、
どのアーティストでも同じだから、放っておくしかない。
「あんたわかるかい　俺の気持ち」って言われているしね。

そう、そう言えばタイトルの「ワインディングロード」がどこにも出てこない。
つまり、歌詞タイトルの曲ではないから、歌詞の意味は聞き手に投げかけられている。
ただ、冒頭で「長い道」とは歌っている。
「今ここから明日へ続く道」という歌詞もある。
3回くらいくり返し聞いていると、
アルバム『悪魔のささやき』の続編的な内容だなと思った。
冒頭で夢から覚め、「魂は何度死ぬ」「破れしあまたの夢」と言うあたりが、
『ファウスト』の世界観を踏襲しているように感じるからだ。

曲の印象は聴けばきくほど【旅の途中】で、
高音が辛そうなところとか、
曲の終りのトーンを下げていく歌唱とか、そっくりだ。
【ワインディングロード】は、
端的にいえば続・【旅の途中】のような楽曲である。（了）


昨晩に、【ワインディングロード】につづいて【東京からまんまで宇宙】が、

InterFM「BAM!」
【放送】10/12(水) 21:00～22:56　DJ：George Williams,Taro,Mike

で放送された。
オフィシャルHPで告知があったようだが、完全に見逃していたから、
番組そのものは聞き逃したが、
音源がYouTubeにアップロードされているのを知り、削除される前に試聴した。

【東京からまんまで宇宙】の印象は、
アルバム『風』冒頭の【平成理想主義】と【達者であれよ】のイメージが重なる。
歌い方は近年ではめずらしい「べらんめぇ」な感じである。
近作では【おかみさん】がいちばん近いかもしれない。
ただ、全体の歌唱はアルバム『東京の空』のころを彷彿（ほうふつ）させる
アレンジは【おかみさん】チックである。

「必ずまた帰ってくる」
「心はぐるぐる地平線」
「東京からまんまで宇宙」
「瞬間ですべて愛する」

などが印象的なフレーズである。
【ワインディングロード】はさわやかすぎて古参ファンに評判が悪いだろうと述べたが、
【東京からまんまで宇宙】は、エレカシ独特のいなたさが魅力となっており、
歌詞を噛みくだきすぎないブッ飛び感が、かえって昔の若さに近いかもしれない。
きれいに整えてかしこまっておらず、感じたことを感じたまま歌にする、
その辺がアルバム『風』の【平成理想主義】のころの楽曲に近い。

以上、【東京までまんまで宇宙】の感想の追伸である。（了）