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宮本浩次が見せる心意気(または野音連続公演は継続される) [ライブ]

本日(2012年10月10日)の朝方、オフィシャルでサプライズ・ニュースが発表された。
14日に予定されていた日比谷野音公演は中止され、払い戻される旨は変わらないものの、
同日程の同ステージ上で宮本浩次が一人で登壇してあいさつをし、
弾き語りをしたい(何曲くらいになるかはわからないが)ということを発表したのだ。

ファンのみなさんへ

今回左耳の外リンパ瘻という病気で、全力で歌うことが出来なくなってしまい
東京と大阪の野音のコンサートを中止せざるを得なくなってしまいました。
コンサートを楽しみにしていてくれたみなさん
それからエレファントカシマシを応援してくれているみなさん
たくさん驚かせそして心配させてしまってごめんなさい。
実は術後一週間くらいは半ば茫然と過ごしていたのですが
主治医の先生から「この状況に慣れて歌ってなおしてゆくしかない」という類の励ましの言葉を貰って
十日ほど前から毎日アコースティックギターを使って自分のペースで歌うことを始めました。
すると確かに左耳はいつものようには聞こえないのですが
一方で歌に集中することで心が軽くなり同時に元気になっている自分を感じることも出来ました。
これはとてもうれしいことでした。
いつものエレファントカシマシのステージはもちろん出来ないのですが
日比谷野音のステージで少しだけど歌う事にしました。

ファンのみんなには勝手ばかり言って本当にすまないが
どうか俺を野音で少しだけ歌わせてくれ

十月十日 エレファントカシマシ 宮本浩次


所属事務所からのメッセージはこちら(リンク
日比谷野音のチケット払い戻しについてはこちら(リンク
 払戻期間:2012年10月15日(月)10:00~10月31日(水)23:00


宮本浩次はいつまでも俯いてはいない。
エレファントカシマシはどんな困難な事態にも立ち向かう。
そんなひとつの宣言として10月14日のステージは披露されるだろう。
あるものに言わせれば「時期尚早」かもしれない、
あるものに言わせれば「不完全のよれよれ」かもしれない、
しかし敢然と立ち上がるもの姿が「勇姿」でなくてなんであろう。

入場チケットを持っている者のみの入場とはなるが、
はたして少しくらいの音漏れはするであろうから、
時間とスケジュールに余裕がある方は足を運ばれたい。
その際に注意したいのは、
東京の日比谷界隈でIMFの年次総会がちょうど14日まで開催されていること。
つまり、交通機関は電車やバスなどの公共交通機関が推奨されること、
また不審人物に対する職務質問などが強化されているので、
カッターや小型ナイフ、催涙スプレーのような護身用具は家に残しておいた方がよい。
14日の日比谷公園がどうなっているかは想像もつかないけれど、
チケットをにぎりしめたファンや、
チケットはないが耳をそばだてて外から中をうかがうファンで、取りまかれることだろう。

地方に散在するファンや様々な事情で足を運べないファンも多いであろうから、
弾き語りの部分はともかくも、ファンに語りかけるメッセージは、
YouTubeのオフィシャルチャンネルその他で、ぜひ公開してもらいたいと思う。
(弾き語りの部分は万全ではない体調での演奏・歌唱であるから、
 広く公開するのは本人としても忸怩たるものがあるように感じるからである)

さて、秋の日比谷野音に宮本浩次が戻ってくる。
それは休養前の顔見せとはいえ、男のなかの男が、
弱音や弱気をふりきって見せる「生きざま」である。
宮本浩次にはいつもとは少しちがう日比谷野音になるが、
客席を埋めるいつもと同じようなファンの熱い思いにうたれて、
また再び万全の姿でかえってくる力をつかみ取って欲しい。
私たちは、ステージにあがる宮本の姿からこれ以上ない勇気をもらい、
ステージの宮本は客席のファンの声援から同志の暖かい気持ちを受け取る。
エレファントカシマシとファンは、
宮本浩次とファンは、
音楽や歌で紐帯(ちゅうたい)しているのである。

たまたま開いた歌詞カードのなかに【OH YEAH!(ココロに花を)】の一節を見た。

ココロに花を
もどかしき今日の俺に捧げるのさ
部屋を飾ろう
大切なあの頃の思い出の絵を

Yes 終わらないさ Baby
やるこたぁ まだまだある
戦うため 生きてゆこう


私たちは
さあ がんばろうぜ!
負けるなよ そうさ オマエの輝きはいつだってオレの宝物
でっかく生きようぜ!
オマエは今日もどこかで不器用にこの日々ときっと戦ってることだろう

と励ましてくれる、あなたと共に居るのだ。
見てくれの格好よさや流行のファッションで結んだ<絆>じゃないってことを、
エレファントカシマシのファンはきっと証明することだろう。
たとえばことしの日比谷野音の客席で。あるいは場外で。
また、近いうちに訪れるエレファントカシマシでの再開を、
いつもと同じような熱さで、あるいはいつもと同じような気安さで、
「まったくいつまで待たせるんだご同輩、また馬鹿みたいに楽しくやろう」と。
エレファントカシマシのファンは畏敬と共に、エレカシに「仲間」としての愛情を覚えている。
こんなことをエラそうに言うのは出過ぎたことかもしれないが、
ステージ上で「友達がいるのさ」とか「お前たちいる」などと言われると、
有頂天になってはしゃぎたくなるお人好しがせい揃いしている。

宮本浩次。
ファイティングマン。
私たちのヒーロー。
(了)

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PENNPENN

はじめまして。
ファン歴浅い私ですが、こちらのブログで色々なことを教えていただいて
毎回楽しみに読んでます。
昨日の発表は、読んでいて涙が止まらなかったです。

そして、シジフォスさんの

男のなかの男が、
弱音や弱気をふりきって見せる「生きざま」である。

この文章を読んでまた、泣きました。

どんな自分であろうが、今の自分の姿で声で伝えようとしてくれる
宮本さんはまさに本物のファイティングマンだと思います。
14日は魂の声をしっかりと聞いてきたいと思います。
by PENNPENN (2012-10-11 07:10) 

黒のシジフォス

> PENNPENN さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉をこそばゆく頂戴して、恐縮です。
私も10年やそこらのひよっ子ファンですよ。
猛者はEPIC時代やCANYON時代初頭からのファンのことです。

私以外にも、さまざまな熱いファンがいるなかで、
拙ブログを巡回、お目汚しいただき、痛み入ります。
「WEB記事リンク集」など、拙ブログにも人気企画がありますので、
お暇なおりにお越しください。
高い頻度の更新を誇る人気ブログにはかないませんが、
まばらな更新ながら、ファンの方々と共有できる内容を密にして、
読み応えのある記事を書きたいと思っています。

14日は日比谷野音にお出でになるということで、
一生忘れられないような、胸に残る一日になりそうですね。
私も文字通り末席(Cブロックの後方)ながら入場して鑑賞しますので、
一聞一目を落とさずに、五感で感じるべく身ずまいただして参ろうと思います。
すこし大時代風に書きすぎました。

文面を読むと、奇特、偏屈に思われがちですが、
たしかにその嫌いなきにしもあらずですが、
当人ははいたって気安い間抜けなので、気軽にコメントくださいませ。
それでは、よしなに。(←これは山下達郎の影響です)
by 黒のシジフォス (2012-10-11 23:49) 

ペコ山

普請虫さん、はじめまして
時々寄らせてもらっています。普請虫さんの、落ち着いた語りが好きです。

今回、私も同様に末席から見守ります。

一部では、大阪との待遇の不公平を論じていますが、なにより、普請虫さんの仰るとおり、男のなかの男の心意気を、生き様を今は真摯に受け止めていきたいと思っています。
見てくれの格好よさや流行のファッションで結んだ<絆>じゃない、です、本当に。たくさんの歌と、あの声で、あの真剣なステージで、たくさんの勇気と力をもらい続けてきました。どれだけでも、静かに待とうと思います。



by ペコ山 (2012-10-12 00:19) 

黒のシジフォス

>ペコ山 さん、はじめまして。ようこそお越しで。

私のエレファントカシマシ用の号「普請虫」をご存じのところを見ると、
mixi かエレファントカシマシDB あたりでお見知りのようで、
コメントありがとうございます。

「落ち着いた語りが好きです」、などお褒めいただき、
とても励みになりますが、図に乗らないように時々おしかり下さいね。

大阪と日比谷の扱いの違いに対する不満、私も散見して知っております。
ただこれは、日程や体調を考慮してのことで、
大阪野音の前に体調がよければ、大阪でも同じようにやったのではないか、
と私はそう考えております。
そもそも、大阪には飛行機ないし新幹線での長時間移動が必要なため、
それは術後の療養環境にあっては、あまりよろしくないということもあるかと思います。
日比谷は東京ですし、自宅からも近い、かかりつけの医者も近い、
そんな事情があることくらい、すこし考えを巡らせればわかりましょう。

ただ、大阪野音を待ちわびていたファンのことも、よくよくわかるのです。
自分の住まいの近くのほうで公演があることを楽しみにしていたファンのことも。
どこに住んでいてもエレカシ愛をもつファンという立場は共通、
距離させなければ、スケジュールの都合さえつけば、
這ってでも行きたい人には、大阪公演だけが潰れた痛みが響くのでしょう。

ペコ山さんは、日比谷で場内鑑賞できる幸運なおひと方のようですね。
場内に入れないファン、日比谷に来られない人たちのためにも、
目となり、耳となり、その時のことを語ってまわるのが、
場内鑑賞者の役割かもしれませんね。
私のレポートなぞは、中学生の読書感想文みたいなものですが、
晩秋の枯木なりに山を賑わそうと思っております。

当日は日比谷野音の界隈をうろうろしてますので、
もしもそれとわかったらお声がけください。
それではお互い体調万全で日比谷に集いましょう。
by 黒のシジフォス (2012-10-12 23:59) 

大棗

いつもがっつりした充実のブログをありがとうございます。
エレカシの活動期間を考えると、近年のファンなので、大変助かっています。

私は今回初大阪野音参戦予定でした。(ずっと海外在住だったため)
当日気持ちが落ち着かず野外音楽堂へ行きました。
本当にたくさんの人が来ており、それぞれエレカシへの想いを馳せていたことと思います。
私自身は今回の宮本浩次からのメッセージは、素直に嬉しくてたまりませんでした。
途方もない絶望を味わったであろう宮本浩次が、万全でない体調にもかかわらず、「歌わせてくれ」と、相当な無理をおしての決断だと解るからです。
本人もメンバーも関係者も、長くなりそうな苦境の中からギリギリまで熟慮し、今可能な最善手を尽くしたのだと確信しています。
大阪組には、不満に思っている人達ばかりではありません。
それを言えば、日比谷落選組、大阪落選組、諸事情でコンサートに参加できる状況でない全てのファンを満足させる方法はないのです。
チケット当選者だけがファンではない。
あのメッセージはすべてのファンへ向けてのものなのです。
今回の野音のチケットを持っている方々は、たまたま幸運なファンの代表なのです。
だから一部の大阪不満組が声を上げたため、日比谷組が複雑な感情を持つ必要はないのです。引きずらないで、行けないファンの気持ちも待って、宮本浩次の想いを受け止めて欲しい。

長々と失礼しました。
by 大棗 (2012-10-13 10:40) 

黒のシジフォス

> 大棗さん、はじめまして。
大阪野音に参戦予定だったとのこと、残念でしたね。
私もスケジュール上行けない重要イベントや、
後から聞いて名演だったライブを知ると、地団駄をふむことがありますが、
誰しも全公演を追うことはできないので、
自分がいたライブ会場のその公演をあじわい尽くすことが、
自分にできるファンとしてのあじわい方だと最近は思っております。
そのため、ツアーを追うよりも、これというコンサートの決め打ちになりました。

大阪野音参加希望者も不満不平ばかりではない、とのこと。
これもその通りだと思います。また、そうある人がいることも。
ただ、どこの公演を中止し、どこの公演を決行というような判断は、
いつにしろ不均衡と不平等を伴うものです。
そもそも絶対の平等は実現不可能ですよね。
地理的有利不利をいいだして、済まなく思ってしまうと、
関東近県在住者ほど不当利益のものはおらないですから。

大阪公演に参加予定でいらした方のなかにも、
大棗さんをはじめとして理解のある人がいるというアピールは、
とても安心できるメッセージです。
同じミュージシャンを愛好する同志が、チケットやらなにやらでいがみあうのは、
本当に不毛なことですから。
そういえば、最近はツアーの最終公演が大阪や名古屋であることも多く、
演奏曲が東京公演よりも多いなんてこともありますよね。
東京ばかりが一番よい公演とはかぎらなくなってきてはいます。
ネット中継された昨年の仙台Renzaなんてとてもよいライブでしたし。

大棗さんのおっしゃるように、
それぞれの場所でエレファントカシマシや宮本浩次のメッセージを受け止めること、
それがよい分別かと思います。
ただ、分別の押さえがきかない「若さ」っていうのも、わからなくはありません。
それも愛情という人情のひとつですから。

また何かありましたら、激励、おしかり、何でもお気軽に寄せてください。
by 黒のシジフォス (2012-10-14 00:44) 

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