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新春ライブ東京公演その2 [ライブ]

2010年年頭の新春ライブ(コンサート)、東京公演2日目に関する感想です。
この項目では、演奏されたセットリスト順に曲目ごとにコメントをつけます。
ライブ全体への感想コメントは、「ライブの印象」を参照してください。

1曲目「Sky is blue」から12曲目「化ケモノ青年」までを「その1
13曲目「クレッシェンド・デミネンド」から24曲目「待つ男」までを「その2
とします。

 トミの印象的なドラムからスタート。【クレッシェンド・デミネンド-陽気なる逃亡者たる君へ-】。会場のざわめき。人気の高い楽曲だ。会場には新しいファンが多いのかな。私は聞き慣れているので、それほど驚きはしなかった。

 「みんなを祝福する歌です」。この定番のMCも板に付いてきて、本当にそういう歌になっている【ハナウタ~遠い昔からの物語~】。きらきらした感じが嘘っぽくないのがよい。一瞬の「1」、二人の「2」を指でかざしながら、思いをこめて歌う宮本の姿が頼もしい。蔦谷好位置の見せ場のおおい曲でもある(コーラスに鍵盤フレーズ)。「好位置ぃ」と後奏の見せ場を紹介。

 「どうでもいいような思い出とかあって。…すき焼きご馳走になったことがあって、あのとき帰って欲しそうな顔してたんですよね」。しみじみとそう話す。知人の家あたりで、帰りそびれて、夕飯を要求したようなカタチになったことを反省しているらしい。「そういうのが積もり積もって、色々な思い出があるけど、前に進もうぜ!そんな曲です」。というMCに続いて。【さよならパーティー】

 唐突に、「じゃ、恥ずかしがらずに歌います。やっぱ新曲というのはいつも恥ずかしいもので」と前置き。大拍手を受ける。曲前に【赤い薔薇】のイントロを軽くかき鳴らした。【幸せよ、この指に止まれ】と舌を噛まないように、一音一音ていねいに発音。 喜びよこの胸に咲け。雨のち晴れ、星が一つ。明日の光。そんな断片だけ聞き取れた。
 【赤き空】。「赤い空」「出かけて行こう世間へ」というような歌詞だったと思う。阿久悠の作詞を思わせるような、情緒と郷愁を感じさせる歌謡曲然とした楽曲だった。
 2曲の新曲のなかでは後半の歌の方が、わたし好みである。1曲目は馴染みのあるヒット曲の印象を踏襲した、いわゆるメジャー向けの曲だったからである。2曲目は歌謡曲っぽさがかえって好ましく、『東京の空』と地続きなそんな楽曲のような印象で満たされた。誰にでもある思い出の景色が、たしかな歌景色となるような、そんな世界観だった。

 本編ラストのファンファーレ【FLYER】。会場にはどう響いていたかわからないが、ミヤジのギターがとんでもなくボロボロだった。席の関係上、宮本ギターが一番よく聞こえたからかもしれない。

 ミヤジのカウントともに、【俺たちの明日】。6人編成でやると昼海幹音がアコギを担当してくれるので、とても安心して聞くことができる。テンポが原曲よりもいくぶん早かった気がする。この曲ではミヤジはリズムギターなので、それほど乱れることなくこなしていた。「サンキュー」と一声あげて楽屋に下がる。


 アンコール1曲目、【まぬけなJohnny】。この日のセットリストのなかでも以外度が高い1曲。私小説的な側面の強いこの歌、思い入れの深い曲のようだ。ファンの評判はそれほど高くない。また、アルバムツアー時の成功のイメージも強いのだろう。【Johnny・B・Good】(by Chuck Berry)のフレーズが登場する後半を楽しく歌っていた。また、「ファミレスでコーヒー飲んで」を「コンビニでサンドウィッチ買って」と変更していた。アンコール1曲目としては、なかなか渋い選曲である。

 「俺たちのテーマ曲です」みたいなMCから【地元のダンナ】。この「俺たち」はどうやら宮本・石森・冨永・高緑の四人のことを指しているようだ。赤羽四人衆。発表当時は歌詞の奇抜さが手伝って、「?」が浮かんだが、今は単純に格好いいと思えるようになった。

 【笑顔の未来へ】。イントロなしの歌い出しなので、出だしは宮本待ち。リズムをとりつつうまく入れなかったのか、ややスタートに手間取った。歌唱はすばらしかったが、演奏があまり調子がでなかったミヤジ。でも、印象はとてもご機嫌だったのだが、何かそわそわするようなうれしいことでもあったのだろうか。

 昨年1年の成功を象徴するような楽曲。【桜の花、舞い上がる道を】。シングルの発売は一昨年の3月のことになるが、アルバム『昇れる太陽』のキー曲でもあり、さらに8年ぶりの日本武道館公演のテーマ曲であったこともあり、2009年のエレファントカシマシを端的にあらわした。レコード会社からの要請であっても、懐のなかで形をひねて、バンドの作陶として完成させる。そんなイメージの曲である。しかも、ファンによろこびをもって受け止められたこの楽曲を、それゆえに大切な楽曲として愛でる、というファン発信の定番曲のような気がしている。不安げに照れながら弾いていた、名古屋ELLでの初演が嘘のようである。

 本年の新春コンサートの〆曲【待つ男】。第一アンコールは衣装替えと楽器の調音のためのセットチェンジ時間であるから、本当のアンコールはこの【待つ男】1曲。余力全部を叩きつけてきたかのような、すさまじいエネルギー。まさに正月にふさわしい「富士に太陽」というバンド・モチーフ。なんと言っても、その声の伸びやかさが印象的で、23曲を歌い終えたあとの最後の曲とは思えない、声がれのない歌唱だった。本年の新春コンサートの印象はまさにこの【待つ男】に神髄がある。あとは、この日の為に用意された新曲が印象に強く残った。

(この項目おしまい)
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