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「うらくちょう」について [記事&インタビュー]

本日、家にfan club会報「PAO 54」が届いておりました。
新春座談のなかで、トミ冨永が「有楽町(ゆうらくちょう)」と発言する度に、
かたくなに「うらくちょうね」と訂正を入れる宮本御大。
そのこだわりに、もらい笑いしてしまう私である。

東京近在でない方は、
歌やニュースにしか知らない人も居るかも知れないが、
「有楽町」というのは、東京駅より一駅西にある繁華街の駅で、
銀座や日比谷などというオフィス兼ショッピング街の最寄り駅なのである。
エレカシのファンなら、日比谷の野音に行く際に利用する、貴重な駅でもある。
日比谷側には少し前まで「有楽町そごう」という目印があって、
今はこれは「有楽町ビックカメラ」になってしまっている。
そして、銀座側に駅を出れば、「有楽町マリオン」というデパート兼映画館の巨大ビル。
この建物は、そもそも朝日新聞の本社と東宝&松竹の映画館があった敷地に建てられた、
巨大複合施設。今年に入ってから、テナントの「西武デパート」の撤退が決まり、
そのあとがどうなるのか、行方に注目も集まっている。

閑話休題。「うらくちょう」の話である。
「うらくちょう」というのは、「有楽町」の町名の由来から来た読み方だ。
有楽町という町名は、
江戸時代そこに大名屋敷を構えていた織田有楽斎から由来するという説がある。
それゆえに、「ゆうらく」というのは間違った読み方の定着で、
本来は「うらくちょう」と読むべきである、という人たちもいるようなのだ。
ただ、Wikipediaによれば、
織田有楽斎は江戸に下ったことはなく一生上方暮らしだったことから、
有楽斎の屋敷跡というのは、根拠が乏しいらしいのだ。
であるから、「浦原」「浦が原」から転じたのではないか、という説もあるのだという。

ちなみに、「秋葉原(あきはばら)」についても、
正式な読みは「あきばはら」であることは、あまり知られていない。
そもそも、「秋葉原」の以前の名称は「秋葉が原」で、「あきはがはら」ではない。
「あきばはら」が「あきはばら」になったのは、旧国鉄の駅名かららしい。
無知な鉄道官僚が読みを間違えて押し通したらしい。困ったことに。

私の記憶が正しければ、
「秋葉原」界隈は将軍の狩猟地で、
鴨やら兎やらを馬追した御料地ではなかったか。
江戸の中心地に原のつく地名が幾つかあるが、
そういうところは、大概に狩猟用の御用地である。
神田や秋葉原、日比谷などは、
江戸城お膝元で庶民や商人の住む街ではなく、
大名旗本の屋敷があった場所である。
江戸時代の繁華街というのは、主に浅草や上野の界隈。
そして、街道筋。日本橋や品川宿などである。
新宿は内藤家の御領地としてさびれているし、
渋谷だって似たようなものだ。
その辺については国木田独歩の「武蔵野」を読んでもうかがい知れる。
世田谷なんかド田舎だったのだ。

「有楽町(ゆうらくちょう)」にこだわる宮本御大。
きっと「秋葉原(あきはばら)」も注意されるような気がする。
何しろ京浜東北線沿線(赤羽を通る東京の大動脈)だからである。(了)
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コメント 3

あい。。。

黒のジジフォスさま♪
先日は桜についてご指摘ありがとうございました。
もっと早くブログの存在を知りたかったです。
過去のブログも読ませていただきます。

「うらくちょう」について、勉強になりました。面白いですね!
知らなければ、???って思うだけでしたから。
これからの記事もとっても楽しみにしています♪





by あい。。。 (2010-02-07 23:26) 

きょ

こんばんは。
はじめて来ました。
「うらくちょう」がどうしても気になって検索してここに辿り着きました。

あいさん同様、もっと早くブログの存在を知りたかったです。はい。

度々上京してはあちこちてくてく歩いています。
次回の東京散策がとても楽しみになりました。

こちらにもまたお邪魔させてくださいね。
早速、お気に入りのエレファントカシマシファイルに登録いたしました。
by きょ (2010-02-08 22:42) 

黒のシジフォス

> あい。。。 さん
> きょ さん
ようこそ、お越し下さいました。

ブログは昨年末11月から始めました。
日比谷野音の公演が終わって抜け殻のような状態で、
これは何かしないといけないと思って、
つたない考察や文章ではあるけれど、
自分なりにエレファントカシマシのことについて書いてみようと思いました。
初期からのファンに比べたら、まだまだ青いことこの上ないです。
ただ、直感で推測したことが、案外と当たっていて、
本当にまれではあるのですが、バンドを少し理解できた自分を感じます。

映像や画像が充実しているわけでも、
セットリストや新譜情報が充実しているわけでもないですが、
暇つぶしに、笑みのひとつも浮かべていただければ、
筆者冥利につきるものと思います。

懲りずに、
お気軽にご訪問、ご記帳ください。
by 黒のシジフォス (2010-02-09 23:59) 

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