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徐々に明らかになる新アルバム [つれづれ]

オフィシャルサイト&オフィシャルブート・ページの制作を担当している、
庄司信也の管理人ブログで(http://elekashibootleg.com/diary/?p=125)、

エレカシも、アルバムレコーディングも
遂に終了した模様。


との情報が明らかにされた。
さらに、先週末に発売した『bridge』でのインタビュー記事を合わせると、
期待は高まるばかり。
とりあえず、シングル曲は大方収録されるような話の運びだった。
それから、期待値が高いのは、
移籍後のなかではいちばんアグレッシブな作風のものを収録している、
と宮本浩次が渋谷陽一に向かって発言していることである。
これは渋谷陽一が、最近はポップでメロディが引き立つ名曲が多い、
と話を振ったことを受けて、色々な作風があるので変化をつけて飽きられないようにしたい、
そういう返しのなかで飛び出した発言だ。
もしも【ガストロンジャー】や【パワー・イン・ザ・ワールド】のような楽曲だとしたら、
もの凄い久しぶりの直球勝負である。




もともと、背伸びからはじまったとはいえ、
エレカシの得意なパフォーマンスというのは、ドカドカとドラムが鳴り、
ギロギロとギターはかき鳴らされ、張り裂けんばかりの咆哮がとどろく、
そんな「荒くれ」「無法」な楽曲だからである。
【FLYER】もそこそこアグレッシブだと思うが、
これを超える攻撃力があるというのだから楽しみ極まりない。

先週末にはさらにファンクラブ会報『PAO』が届き、
その中に嬉しい知らせが入っていた。そうだろうな、という納得の情報であった。

また、『bridge』の記事に戻るが、
宮本はYouTubeを見ているらしい(自宅でのようだ)、と言うことが判明している。
そこで自ら(エレファントカシマシ)の過去のライブやPVを見て、
自分の過去を確認することがあるらしいのだ。
そこではかなり客観的に自分のことを見られるようだ(自惚れよりも、自己分析のが強そうだ)。
【明日への記憶】のPVで、【太陽ギラギラ】のPVと同じポーズがなされていると、
各所で評判になっているが、
もしかしたらこれはYouTubeでそれを見たことからのインスピレーションかもしれない。
あのポーズをクリエイターが指示するとは考えられないので、
自分からこうしたいと言って、採用されたのかも知れない。

以前は石森敏行マニュピレーターにまかせきりだったデモ・トラックづくり。
最近は自分でパソコン操作を覚えて、自宅でMTRを使って録音しているらしい。
(これは新婚家庭の石森家をおもんぱかっての努力の成果かもしれない)
その延長線上で、【明日への記憶】のアコースティック版は宅録で作ったのだそうだ。
(ただし石森マニュピレーターは録音係で呼ばれたらしいが)
「曲を作るのが好きなんです」とラジオ番組でも述べたように、
そのことと宅録環境の充実は相乗効果をあげそうな気がする。
プロトゥールスなどの音楽制作ソフトを完璧にマスターしたなら、
さらにアレンジの分野まで完全にひとりでこなしてしまうかもしれない。

こう話すと、どうしても『愛と夢』~『ライフ』の、事実上のソロ活動期間を連想してしまう。
しかし、それに対して私は心配していない。
デモ・トラックと本番のレコーディング・トラックは別物になるだろうし、
背後にメンバーの音がなっていないとエレファントカシマシ・サウンドにならないことを、
宮本自身がよく理解しているからである。
メンバーとやる【ガストロンジャー】のよさを知ってしまったら、
カラオケでやる【ガストロンジャー】など色あせた写真よりもなお魅力が薄いはずだ。
そう前者がふもとで見上げる富士山、後者が銭湯の書き割りの富士山である。
もちろんどちらにもその分野なりの良さはあるが、
だが圧倒的に本物なのは、前者なのである。
バンドの結束が強まっている今ならば、
宮本に自宅スタジオが備わったとしても、エレカシ解散の危機はないと断言できる。

それを補完するような記事が『bridge』の最後半にあった。
録音の際に未だにメンバーに「八つ当たり」しちゃうことがある、
と宮本自身が発言しているのである。
自身の(とくにメンバーに対しての)憤懣の爆発を「八つ当たり」と認識したこと、このことが大きい。
そして、それを忌憚なくインタビューでも口にできる成熟が、
宮本ひいてはエレファントカシマシのロック性を大きくしているように思われる。

宮本のロックはデビュー当時の「Don't Trust Over 30」にとどまっていないのだ。
自分は40を過ぎたが、まだまだ到達できない、くよくよとした迷いと大きな憧れに急かされている。
そんな大人のなかの「未成熟」にロックが宿っていることを表明しているのだ。
若いときのやりかたではないロック。
それは失敗や間違いや、あるいは老いでさえもまとめてひっかかえて、
それでも前進して行こうとする気概、そんなものなのかもしれない。

新しいアルバムのなかに収録されているという、
アグレッシブなエレファントカシマシの新しい作風に注目したい。
(了)
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コメント 6

かぁーちゃん

こんばんは~!!

11月アルバムいよいよですね!!!
しっかりと期待してアルバムを楽しみに待ってたいとこです♪

YouTube、eZの動画は何回見ても面白いですね~!
by かぁーちゃん (2010-10-19 00:44) 

ゆうき

初めまして!
いつも楽しく拝見しております。
最後の方に書かれてある「宮本のロックはデビュー当時の~」のくだり、目頭が熱くなりました。
宮本さんの、すべてを肯定する様な姿は本当に胸を打ちます。

ところで管理人様はニューアルバムのタイトルはいかが思われましたか。
私は正直かなり戸惑っておりますが、たぶんA、B盤両方買うと思います。。

by ゆうき (2010-10-19 18:22) 

hotaruika

アルバムのタイトル、こんなんかなーって自分で勝手に予想して遊んでいましたが、見事にはずれました~。でもそれがまた嬉しいのですけれど…☆
13曲もあるんですねー♪ (「朝」という作品はSEとありますが)

そして11月17日にちゃんと発売されるのも嬉しい♪
by hotaruika (2010-10-19 20:42) 

黒のシジフォス

かぁーちゃん。いらっしゃいませ。
コメント欄の常連と化しつつありますね。
どうぞ、ご贔屓に。
(この古くさい口調は、エレカシの影響と言うより、山下達郎の影響かな)

eZはぜひソニーに完パケして欲しいですよね。
大江千里のは出ているらしいので、可能性はある。
by 黒のシジフォス (2010-10-21 00:29) 

黒のシジフォス

> ゆうきさん

お初の書き込みをいただき、ありがとうございます。
今のエレカシは過去の嵐を超えたからこその平穏です。
しかし、「置き去りのオレ」も取り戻そうとしています。
それは、もっと多くの人の心を掴みたい、という野望なのでしょう。
「儲けたい」というよりも、人の心に思いを刻みたいのでしょう。
だからエレカシの歌は刺さるんです。

『悪魔のささやき~そして、心の火を灯す旅~』
これはたぶん、宮本版『ファウスト』なのかもしれませんね。
ゲーテが書いた大長編です。
老いてなお野心の満たされないファウスト博士が、
悪魔メフィストフェレスと取引をして、
若さと引き替えに魂を売る話です。

老いてなお野心尽きないもの(おそらくゲーテ自身)への、
転落と救いを描いた物語を、
我がことのように引き寄せて考えたのでしょう。

たぶん、そう的外れではないと思います。
最終曲が【悪魔メフィスト】なので。
サブタイトルがあるので、ちょっと解説つけてしまったな、
という印象です。
本当は『悪魔のささやき』だけで出したかったと思います。
でも、ヘビーメタルのアルバムコーナーに置かれてしまうかな。

懲りずに、またコメントして下さい。
by 黒のシジフォス (2010-10-21 00:41) 

黒のシジフォス

hotaruikaさん。
予想は、外して楽しい天気予報です。
当たった試しがない。
しかし、夕方から夜にかけてのアルバムになりそうだな、
という予想だけは当たった気がします。
前作の太陽のイメージの真逆を狙ったのでしょう。
かなり、コンセプチュアルにピースをはめてきているので、
アルバムとしての完成度に期待してしまいます。

SEが入るのは『good morning』以来になるのかな?
宅録環境の充実が作らせたものでしょうね。
『good morning』でも【Ladies and Gentlemen】がその立ち位置ですが、
舞台転換の装置として鐘を鳴らすような意味で、
サウンドだけのジングルを作ったような気がします。
つまり次の【悪魔メフィスト】がそうとう力作だと踏んでいます。

by 黒のシジフォス (2010-10-21 00:48) 

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