エレカシ短歌『生活』

ひまつぶし企画「エレカシ短歌」の何回目か。
キャニオン期とユニバーサル期は完了し、あとはEMI期のアルバム2枚と、
初期EPICのアルバム数枚を残すのみ。
それで今回は『生活』をピックアップ。
アルバム内の作品が夏から秋にかけてのものなので、
ちょうど今くらいに出しておくと旬に間に合う気がするからである。
充実した作品なので、作歌に苦しむかと思いきや、するするとできた記憶がある。
つくったのはもう2年以上前のことだ。
実のところ、全作品を作歌してあるのだから、ブログの更新が滞るときは、これを出せばよいのだが、
この余白うめも弾切れが近いと思うと出し惜しみしたくなる。貧乏性である。
（了）

【男は行く】

ビルは山 俺たち互い負けまいと 浮世の風と戦い行こう

【凡人－散歩き－】

死ねぬ身は
余生を数え　散歩する
俗世に遊び　同類（なかま）と笑う

【too fine life】

止んだなら　よいこともある
明日もある
降り続く雨　力も出ない


けだるさの時間よ　過ぎろ
雨よ、止め
何事かよいことを探して

【偶成】

ひとり座し
欠けたる「分」を　思い病み
ドブの夕陽が輝くを見る

【遁生】

生活のなき身のつらさ
ひきこもる
俺と一緒に　布団で暮らそう

【月の夜】

暗やみを
やさしく照らす月の夜
今宵も我としばし遊ばん

【晩秋の一夜】

晩秋の虫の鳴く音と
わが余生　重ねて遊ぶ
わびしき夜長