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リハーサルはただの練習ではない [つれづれ]

 新参のエレカシ・ファンの方々に力説したい。エレファントカシマシのリハーサルはただの練習ではない。本編前のもうひとつの公演なのである(本編通りちゃんと全部やるという意味ではない)。
 
 なぜもう一つの公演というか。それは論より証拠、音漏れを聞いてみればわかる。
まず、本編同様に手抜きのない楽曲演奏をすること(全曲、フルコーラスやるわけではないが)。そして特筆すべきはボーカルの宮本が本編同様の本気の歌唱を毎度行なうことである。それはとても練習とは呼べない手抜きのない歌唱である。これは本編に参加する観客には痛し痒(かゆ)しで、あまり喉の調子が悪いときはリハーサルで喉を潰してしまうことがあるほどだ。ゆえに、リハーサルの方が歌唱がよいということがままある。また、本編ではやらない曲を練習していることもあるし、ギターバトルをしていることもある。そんなことを考え合わせると、一般的なバンドのリハーサルとはまったくかけ離れたものであることは間違いない。

 エレカシのリハーサルは本編前のもうひとつの公演である。
 本編でくり出されるセットリストを事前に知りたくない。そう思っている人も多いだろう。
 だが、リハーサルをもう一つの公演だと考えてみればどうだろう。

 ツアーの日程で2日間参加する場合、2日目に聞く曲を1日目に知りたくないと思ったりするだろうか。セットリストの驚きは、リハーサルでも十分体験できるのだ。しかも、リハーサルで聞いても、曲順どおりではないので、その順番はきちんと本編で楽しめるので心配ない。ただセットを知りたくないというために、リハーサルを聞き逃すのはあまりにももったいない。なぜなら、エレファントカシマシのリハーサルはただの練習ではないのだから。

 私がおすすめするのは日比谷野音のリハーサルの様子を場外で聞いてみることだ。これが実に楽しい。本編とは別の味わいがあるのだ。

 特に2009年、昨年のリハーサルはサプライズがあった。10月25日のリハーサルで、宮本以外のボーカリストが出現したのである。上っ調子で、音程を外してしまっている、笑ってしまうようなその歌をうたっていたのは、ギターの石森敏行こと石君であった。これは前日の寒気のなかで絶唱していた宮本が、25日のリハーサル段階で喉の調子が思わしくなかったということもあるのだろう、珍しくリハーサルの歌唱を控えめにしていたのである。そして、その代役に立ったのが石君である。石君のすごいところは、突然に代役をふられたにもかかわらず、歌詞の一言一句まちがわずに歌っていたこと。それゆえ、音程うんぬんではなしに、曲への深い愛情が伝わってきた。
 野音のリハーサルの曲目や本編の感想はエレファントカシマシDBに掲載してあるので、深くはふれないが、昨年のリハーサルを耳にしたものは幸運である。

 さらに、リハーサルを聞いたことがない人に教えてあげたいことがある。その場で適当にしゃべっていると思われているMCや曲紹介も、実はリハーサルで練習しているということを。

 宮本のMCは適宜アドリブで話していると思われがちだが、その幾つかはちゃんとリハーサルでも同じ内容で練習している。今年の野音を例に取るなら、「暮れゆく夕べの空」の前に話していた「ちょうど今くらいが夕暮れだと思ってやるのですが、10月の夕暮れは早いんですね、曲順を間違えました」というMCは、リハーサルでも話していました。これちょっと驚きですよね。ちゃんと時刻と楽曲の組み合わせを知っていて、MCを事前に錬ってあるのだから。 (了)

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