『bridge』の記事を読んで [記事&インタビュー]
3月15日発売の『bridge』を読んだ。
うなずくことも多くあったが、内容はくだけた雑談だなと思った。
昨年の2日間にわたった日比谷野音についてのインタビューのわりに、
セットリストのことや進行の善し悪しにはまったく触れていない。
むしろ、何で2枚組になったのか、何で2日間の収録になったのか、
そいういう裏事情についてが多い。
最近、ロッキンオン社発行の刊行誌に掲載されるインタビューは、
どうも砕けすぎてて良くない気がする。
アルバム発売時のプロモーションにしても、
DVD発売時のプロモーションにしても、
プロモーションすべき作品の内容についてほとんど触れないことが多いからだ。
それは、よい意味では身内に近い感覚での温かい取材なのだが、
悪い意味ではなし崩しで、目的不達成のインタビューである。
プロモーション活動におけるロッキンオン発行誌は、
どうしても双方に甘えがあり、緊張感が足りない気がする。
もちろん、ロッキンオン社がエレファントカシマシのもり立て役として欠かせないことは理解している。
ただ、ここ数年の内容は、読む度に内輪話になってきている。
そこに書かれている内容の大部分は、ファンクラブ会報PAOで聞き知っていたことであった。
エピック時代やEMI時代のように、ほかの媒体での露出が少なかった時ならいざ知らず、
ラジオ出演やテレビ出演も来るようになった今では、
もっとロッキンオンならではの切り口を見せて欲しいのである。
かつてはメモを取りたいと思うような重要な発言があったが、
今回のインタビューは正直、つっこみ不足を感じてしまった。
(これはもちろん、私の個人的な主観ですから、一般的評価とは違います)
今年の野音は1日開催にしてくれるように頼んだ、という発言は衝撃を受けた。
また、チケット争奪戦争が激烈化するからだ。
去年があの競争倍率だから、今年が1日開催になるというなら、
抽選販売を厳密にして、しかもファンクラブ枠を1会員1枚制限にでもしないと収まらないだろう。
7割8割がファンクラブ枠と考えても、上限2枚にすると1000人そこそこで完売する。
ファンクラブ抽選で立ち見席とかになるのか。
ああ、まさにこのブログをはじめたときの杞憂。
エレファントカシマシの人気 > 公演会場のキャパシティ
これが拡大しつつある。まったく人気とは「痛し痒し」である。
昨年、野音終了後、まことしやかに囁かれていた、
2日目のみDVD化は、当初予定はその通りだったという。
ただ、宮本浩次本人が雨の1日目の上出来に気分をよくして、
両日ワンパッケージのリリースになったらしい。
そもそも、初日がよくなる予感が本人にはあったらしい。
最後に些話になるが、少し『bridge』について。
『bridge』が薄くなっていることにも驚いた。
5年前、アルバム『扉』の頃と比べて、50ページくらい少ないのだ。
紙価や印刷コストでもあがったのか、それとも売り上げが落ちたのか、
そのことにもショックを受けた。しかも、文字組スペースが大きいのだ。
つまり、ページ数が減っただけでなく、あきらかに原稿掲載の文字数が少ない。
最近、出版界に起きている不況風が、直撃しているのを感じる。
ロッキンオン社が音楽フェスを増やしているのも、
おそらくは本業である出版活動をつづけるための方便なのだろう。
だとて、今年はちょっと乱発しすぎではないかと思う。
いくら実入りがいいと言っても、フェス・インフレは観客のためとは言い難い。
(JAPAN JAMにはぜひ成功して欲しい。)
(了)
うなずくことも多くあったが、内容はくだけた雑談だなと思った。
昨年の2日間にわたった日比谷野音についてのインタビューのわりに、
セットリストのことや進行の善し悪しにはまったく触れていない。
むしろ、何で2枚組になったのか、何で2日間の収録になったのか、
そいういう裏事情についてが多い。
最近、ロッキンオン社発行の刊行誌に掲載されるインタビューは、
どうも砕けすぎてて良くない気がする。
アルバム発売時のプロモーションにしても、
DVD発売時のプロモーションにしても、
プロモーションすべき作品の内容についてほとんど触れないことが多いからだ。
それは、よい意味では身内に近い感覚での温かい取材なのだが、
悪い意味ではなし崩しで、目的不達成のインタビューである。
プロモーション活動におけるロッキンオン発行誌は、
どうしても双方に甘えがあり、緊張感が足りない気がする。
もちろん、ロッキンオン社がエレファントカシマシのもり立て役として欠かせないことは理解している。
ただ、ここ数年の内容は、読む度に内輪話になってきている。
そこに書かれている内容の大部分は、ファンクラブ会報PAOで聞き知っていたことであった。
エピック時代やEMI時代のように、ほかの媒体での露出が少なかった時ならいざ知らず、
ラジオ出演やテレビ出演も来るようになった今では、
もっとロッキンオンならではの切り口を見せて欲しいのである。
かつてはメモを取りたいと思うような重要な発言があったが、
今回のインタビューは正直、つっこみ不足を感じてしまった。
(これはもちろん、私の個人的な主観ですから、一般的評価とは違います)
今年の野音は1日開催にしてくれるように頼んだ、という発言は衝撃を受けた。
また、チケット争奪戦争が激烈化するからだ。
去年があの競争倍率だから、今年が1日開催になるというなら、
抽選販売を厳密にして、しかもファンクラブ枠を1会員1枚制限にでもしないと収まらないだろう。
7割8割がファンクラブ枠と考えても、上限2枚にすると1000人そこそこで完売する。
ファンクラブ抽選で立ち見席とかになるのか。
ああ、まさにこのブログをはじめたときの杞憂。
エレファントカシマシの人気 > 公演会場のキャパシティ
これが拡大しつつある。まったく人気とは「痛し痒し」である。
昨年、野音終了後、まことしやかに囁かれていた、
2日目のみDVD化は、当初予定はその通りだったという。
ただ、宮本浩次本人が雨の1日目の上出来に気分をよくして、
両日ワンパッケージのリリースになったらしい。
そもそも、初日がよくなる予感が本人にはあったらしい。
最後に些話になるが、少し『bridge』について。
『bridge』が薄くなっていることにも驚いた。
5年前、アルバム『扉』の頃と比べて、50ページくらい少ないのだ。
紙価や印刷コストでもあがったのか、それとも売り上げが落ちたのか、
そのことにもショックを受けた。しかも、文字組スペースが大きいのだ。
つまり、ページ数が減っただけでなく、あきらかに原稿掲載の文字数が少ない。
最近、出版界に起きている不況風が、直撃しているのを感じる。
ロッキンオン社が音楽フェスを増やしているのも、
おそらくは本業である出版活動をつづけるための方便なのだろう。
だとて、今年はちょっと乱発しすぎではないかと思う。
いくら実入りがいいと言っても、フェス・インフレは観客のためとは言い難い。
(JAPAN JAMにはぜひ成功して欲しい。)
(了)
はじめまして。エレカシDBさんの『暮れゆく夕べの空」さんの感想にお名前を発見しまして、どういうことかと思い、こちらにたどり着きました。一風変わった宣伝なのでしょうか!? 反論をお持ちでしょうか?
by ずず (2010-03-20 11:47)
>すずさん、
はじめてのコメント頂戴しまして、ありがとうございます。
コメントの内容は、
私がロッキング・オン社乃至は『bridge』に嫌悪感、
あるいは反論があるのか?
…そういう理解でよろしいでしょうか。
端的に言って、嫌悪感はないですが、
記事として内容に不満があります。
事前の準備不足があるのだと思いますが、
DVDの内容やパッケージに対する取材になっていないからです。
それでは、近況についての取材かというとそうではありませんね。
リリースにあわせた取材でないなら、あれでもよいと思うんです。
ただ、私は不満だと言うことをはっきり思いました。
たとえば選曲についてもっと突っ込むべきですし、
公演中の4人のみのパートを設けたところの意図、
あるいは豪華版のパッケージのコンセプトとか、
そういうところが知りたかったからです。
今年の活動予定についてもなかったですよね。
すずさんは掲載記事について満足されたのでしょうか?
ロッキング・オン社はエレカシに寄り添った出版社ですから、
どうしても家族のような立ち位置になりがちなのです。
そのあまりに、プロとして成すべき仕事よりも、
エレカシ身内のような視点になって、
商品の解説をとるべきところを取らなかったりします。
よく言えば「アット・ホーム」ですし、
悪く言えば「なあなあ」になっています。
とそういうことです。
私もそれなりに長い間ファンをやってますから、
雑談程度の記事でも得るところがたくさんあります。
しかし、
ファン歴の浅い、とくに野音公演にいけなかった人たちに、
あの記事が役立つものとなっているとは思えなかったのです。
最後半は出版不況の風がロッキング・オン社にも吹いていること、
値上げをうたわなくても、
ページ数で実質値上げしているのだな、
そう思っただけです。
(その昔、季刊誌だった頃は250頁超のボリュームでした)
by 黒のシジフォス (2010-03-21 17:30)
お返事ありがとうございます。いや、私が感じたのは、エレカシDBさんところで『暮れゆく〜」さんが書かれた「笑顔の未来へ」の感想の、今の宮本像に対しての反論はないのかというふうに思ってしまいました。あの書き方だとよくわかりませんね。
by ずず (2010-03-21 21:01)
初めまして。「暮れゆく夕べの空」と申します。
「黒のシジフォス」さん、思わぬ反響を呼んでしまって申し訳ないです。私が短慮でした。代わって「ずず」さんに釈明させてください。
シジフォスさんの見解は、このブログの前の記事にあります。オフィシャルの宮本本人へのインタビューに基づいた見事な立論で、普通の人にはなかなか反論しがたいものでした。それがエレカシ理解の「正解」として、一人歩きすることを、私は怖れました。それゆえ、やや古いファンの立場からの異論を、DBという大きな場で問うてみたわけです。
末尾に普請虫君の名を敢えて上げたのは、「一目置いていますよ」という挨拶のつもりだったのです。実際彼のライブ・レポは、私も及ばないほどの詳細さ、熱意によって書かれています。
私は、普請虫君=シジフォスさんとの性急な論争は求めていません。彼の考えを変えようとか、折伏しようなどとも思っていません。富士山を眺める方角は、360度ありますからね。このブログを時々眺める中で、ゆっくりと彼の思索の跡を辿らせてもらいたいと願っています。
ずずさん、こんなところでご理解願えるでしょうか。
シジフォスさん、いや、普請虫君。本当に失礼しました。どうか私の短慮をお許し下さい。
ブログは、週に1度は読ませてもらっています。更新されていると、自分のことのように嬉しいですよ。
by 暮れゆく夕べの空 (2010-03-28 04:36)