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エレカシ街道への入り口 [つれづれ]

著名人のファン・コメントや音楽番組の出演シーンなどから、「エレカシ街道」へ入ったという人が多いに違いない。かくいう私もその一人だからである。ただ、私の場合は、その著名人が一風変わっている。なぜならマンガ家「花くまゆうさく」だからである。

花くまゆうさくと言えば「野良人」、「野良人」と言えば花くまゆうさくと連想が出来る人はその筋の「通」である。そもそも、花くまゆうさくと聞いて誰だかわかる人のほうがきっと少ないに違いないからである。ということで、とりあえず花くまゆうさくの紹介をしておこう。花くまゆうさくは青林堂『ガロ』の最後期の新人マンガ家であり、なかでもポピュラリティーを獲得した作家である。しかも下手ウマ。名前よりもイラストそのもので有名な作家である。アフロと中年オヤジでキャラクターが思い浮かべば、大した物。

思い浮かばない人は、オフィシャルHPのギャラリーを確認してください。
http://www.hanakuma.com/hiyo-si.htm

この花くまゆうさくのファンであった私は、処女出版である『野良人』の「あとがき」でペンネームの由来が【花男】から来ていることを知った。花くまゆうさくは初期エレカシのファンで、キャニオン以降のファンではないようだ。「花男」といえば松本大洋だが、自分のペンネームにつけている花くまのほうが、実は入れ込みが深い気がする。

ということで、【花男】の入っているCDを借りにレンタルショップへ行ったのだが、見事なまでにキャニオンのアルバム3枚とエピックの『ベスト』しかなかった。だから、仕方なくエピックのベストを借りて帰ったのである。その当時1999年頃だったか、エレカシといえば「美メロ」と「泣きソング」と言われていたので、『ベスト』を聞いてぶったまげた。それはボブ・ディランの初期のアルバム『フリー・ホイーリン』を聞いた時と同じような驚きだ。世間のイメージと全然ちがう。それでエレカシ「奥の細道」を突き進むことになった。


初めて買ったアルバムは『good morning』だ。その前に中古で『愛と夢』か『明日に向かって走れ-月夜の歌-』を購入していたかもしれない。だが、自分のなかでは『good morning』が初購入のアルバムだ。以降はだいたいアルバムは発売日、シングルは内容を見てからチョイスして買うようにしている。

エレカシを聞くにあたって、まずエピック『ベスト』を手に取る人は少ないだろう。発売当時はともかく、いまやバーゲンコーナーに並ぶような位置づけに落ちた作品であるし、制作者の愛情がまるで感じられないパッケージだからである。ファンからすれば、その制作のいきさつやバンドがまるでタッチしていないことからも、冷笑の対象でさえあるベスト・アルバムだが、【ポリスター】と【誰かのささやき】(ノー・フェイドアウト)が収録されているという、うれしい側面もある。

私の場合、収録曲のなかでも【デーデ】【星の砂】【奴隷天国】【too fine life】などにしびれた。だから、『good morning』や【ガストロンジャー】には直結して行った。キャニオン時代から入っていたら、その劇的な変化には戸惑ったかもしれないが、私の場合は狂喜してファンになった。

初めて見たライブは、どこかで書いたが2001年11月のLive House Tour。人気が一段落して、チケット入手が楽になりはじめた頃である。開催日前日に近くのチケットセゾン(今はもうない)で買って、見に行ったのをよく覚えている。渋谷のAXが出来たその年ではなかったかな。ドラマ出演の影響やキャニオン時代の余波があって、8割女子2割男子というような、化粧くさいフロアであったことをとてもよく記憶している。番号はB番の100とか200だったと思うが、正直後ろが淋しいくらい空いていたのを覚えている。その頃でもライブハウスでやると前方はかなり詰まって熱気があった。

おそらく、その『good morning』や『ライフ』のころ足を運んでいた男のファンは、エピック時代からのファンか、【ガストロンジャー】などの激しい曲を期待する新規のファンではなかったかと思う。私もその一人で、ささくれだった感じが新鮮でゾクゾクした。

そんなこともあって、渋谷というのは私のエレカシ体験のなかでは、実は日比谷野音よりももっと印象が深い、思い出の地である。おそらく、いちばん多く足を運んでいるライブハウスはSHIBUYA-AXだと思うし、渋公も含めると、渋谷がエレカシ体験の中心地であることは間違いない。(了)

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