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ゲーテの『ファウスト』を再読している [つれづれ]

新作アルバム『悪魔のささやき』。
その主題がゲーテ最晩年の作品『ファウスト』であることは、
【悪魔メフィスト】を聴けばわかることである。
しかし、音楽誌の取材、ラジオの取材、テレビの出演において、
まったくそのことが看過されたのであるから、落胆した。
取材者がゲーテの『ファウスト』を知らないか、
あるいはテーマと理解していても、
『ファウスト』を読んでまで作品取材をしようとしなかったのだろう。
『ファウスト』は世界の大文豪ゲーテの畢竟の傑作である。
それをこの機会に読んで、宮本浩次の心意気に芯から迫ろうとしたものがいない、
そのことが大変に残念である。

『ファウスト』は文学愛好者でないと敷居が高い作品ではある。
その理由は幾つかある。

(1)大部の著作であること。第1部、第2部併せると600頁を越えるだろう。
(2)形式が戯曲(上演台本)の体を採用していること。
(3)錬金術や黒魔術などの舞台まわしに事前知識がいること。

ざっと言えばそんなところだ。
私もその昔、高校生の頃に読んだことがある。
が、第2部の「ワルプギスの宴」あたりで放りだした記憶がある。
『ファウスト』は時折、長い本筋とは関係のない脱線があるので、
それで弛緩して厭いてしまう危険性があるのだ。

ということで、完全読了できなかった『ファウスト』を、図書館から借りてきた。
『河出世界文学大系』の11巻。高橋健二・訳出のものである。

久しぶりに読み始めてみたのだが、昔ほど読みにくくないので驚いた。
人生経験を積んでいるとなかなかに面白い。
また、『悪魔のささやき』との関連を類推される記述も多いので、
二重の楽しみがある。
高校の頃、夏休み中をかかっても読み切れなかったものだが、
1週間ほどで読了できそうな気がする。

『ファウスト』と『悪魔のささやき』の対比分析は、
読み終わってから、改めてやることにしよう。
文学を読み下すことに自信があるかたは、ぜひ読まれんことをおすすめする。
冒頭から、まちがいなく新アルバムとの関連を臭わせる内容満載であるからだ。
(了)
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