SSブログ

何はともあれ、無事終了を祝す [つれづれ]

今夏(2011)「ひたちなか」で開催することに反対する(5月)
続・今夏(2011)「ひたちなか」で開催することに反対する(7月)

以上、2項目を使って、震災後まもなく大型余震の可能性がなくならない、
茨城県ひたちなか市での大型フェスの開催に反対してきたが、
何ごともなく3日間が終って、正直ほっとした。
被害を出す余震はなかったが、本日やや大きな地震(震度4)が同地近辺で起きたこと、
これを以てしても、ひたちなかでの開催がいかに危なかったが理解できる。

気象庁発表の情報(こちらから
ちなみに 「ひたちなか」は震度3


同フェス「エレファントカシマシ」ステージのクイックレポート(こちらから

放射性物質の大量飛散がいちおう落ち着いて来ているので、
おそらく、健康被害が数年以内に出るような急性障害を含む、放射線の被害はないだろう。
ただ、遺伝子レベルの晩発性障害というものは、判断しようがないから、
積算値が高かった「ひたちなか」で開催強行したことと、参加者の健康被害は、
数十年単位の幅をもたないとわからないだろう。
(しかも、追加調査を継続的にしないと、因果関係が証明できそうもないから、
 おそらくはあったとしても判明しないだろう。)

しかし、一番よかったのは大型余震がなかったことだ。
最終日の12時33分に茨城県北部(高萩市あたり)を震源とする、
マグニチュード4.8の余震があったことを考えると、ゾッとする。
茨城県を震源とする、直下型の地震である。
これが、ひたちなか市の直下であったり、茨城県沖で津波を伴う大型余震だったら、
そう考えるとまったく肝を冷やすばかりである。

フェスに参加した人たちの記述を読むと、当該地震の震度3の揺れを、
ほとんど誰も感知しなかったらしく、ネット情報などで後から知ったらしい。
(ということは、主催者は地震があったことを観客に注意しなかったということにならないか)
「震度3で大きな揺れではなかったから」、そう言い訳するかも知れないが、
バックヤード(スタッフ・ルームの管理運営)は、地震のことを知っていたはずだから、
イベントの進行を止めてでも、安全を正確に確認すべきであったはずだ。
こういう対応になることがわかっていたから、私は開催に反対したのである。
主催者がロッキンオン社だからではなく、
どこのイベント会社がやったとしても、
数万人規模の観客がいる大型フェスでは大規模余震には対応できないし、
それに対応したイベントを行うには、臨時雇用のアルバイトスタッフが多すぎるということである。
幸いにも、揺れが大したことがなくて、事なきを得た。
ただ、東日本大震災の本震に近い余震であったら…、と考えると本当に恐ろしい。
幸いにも起らなかったが、起ってもおかしくなかったことは、今日余震があったことでもわかる。
だから1年も経たないうちに、余震対象地域でやるイベントではないと言ったのである。

大型余震がなかったから、東海原発の不安についても事なきを得た。
ただ、当たり前のことだが、応急の処置をのぞいて、
東海原発も津波対策をおえてないことは明確である。
つまり、もういちど3月11日と同程度の津波が襲ったら、危なかったということである。
東北電力の管内ではないのに、電源喪失(全部ではなかった)をした東海第二原発が近接している、
そのことをちゃんとオフィシャルで告知しないロッキンオン社の態度は、潔くない。

呈したい苦言は山のようにあるが、
まずは参加者と主催者、出演アーティストに何ごともなく、無事に終了したことは祝したい。
危ない場所で、危険対策もせずにやったイベントが無事だったことは、
これは「成功」ではなく、「幸運」に恵まれていたに過ぎない。
数万人の参加者を、「幸運」に基づくレベルの安全性でイベントに参加させた、
ロッキンオン社の無責任は記憶にとどめておくことにする。

私は根拠のない営業妨害をしたかった(あるいは、したい)のではなく、
明白に「危険性の高い」環境下で、今年の8月に強行することを批判したのである。
この批判は来年になると、今年ほどの確度では該当しなくなる。
大規模地震の余震は数年内に同程度のものが起るものだが、
なかでも1年以内が確立が高いことは、スマトラ島沖地震やニュージーランド地震、
四川大地震を見てもわかるだろう。
つまり根拠があって反対したのだ。そのことを当ブログ読者には理解していただきたい。

ロッキンオン社はエレファントカシマシの重要な応援者のひとつであるし、
苦境を何度も救ってもらった恩人が所属する(経営する)会社であることも理解している。
ただ、それとこれとは別の話で、「危ない橋を渡ろうとしている」人は止めなければ、
見ている人間も同罪と見なされなければいけない。

避難誘導や津波対策をまったく考慮せずに強行したイベントが、
たまたま大型余震の直撃を受けずに無事に終了したことをもって、
「われわれは観客に配慮して安全に管理運営できた」とうそぶかないで欲しい。
この危ない時期に数万の観客をあつめたイベントで、
震度3の地震さえも観客に告知しない運営では、
もしも運悪く震度6や7の地震に襲われていたら、どうなっていたことか。
はたして、安全に数万人の観客をパニックを抑えて管理誘導できたのか。
そのことをよく問うてみて欲しいものだ。
大型地震が起っていたならば、大パニックのなかで死者が出てもおかしくなかった、
と私は今でも考えている。
だから、そうならずに終了したことは、幸運とはいえ、胸をなで下ろす気持ちである。

主催者発表によると3日間全日程「SOLD OUT」というから、
ロッキンオン社は「大成功」を喧伝したいのだろうが、
この「危険な賭(かけ)」に勝ったことを、誇るのだけはやめてもらいたい。
多くの観客やミュージシャンたちの命を、危険なルーレットの上に載せていたのである。
それを思うと、とても複雑な気分になる。
いつもはクイックレポートを楽しみにして、成功裏に終ることを共に祝している私だが、
今年から「ROCK IN JAPAN FES」に関しては苦い思いを、いつも想起してしまうことになる。
非常に残念である。
何はともあれ、無事に3日間終えたことは祝したい。主催者、観客、アーティストが無事で何より。
(了)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。